【城北ライダース65周年記念】久保亨会長インタビュー

2025.02.09

「現在も活動する日本最古のレーシングチームの伝統を守っていきたい」

城北ライダースは2023年をもちまして、チーム結成65周年を迎えました。2020年から始まったコロナ禍、さらにチーム創設メンバーである父・久保靖夫や城北ライダースの村上恒誓前会長の急逝も重なり、65周年パーティを延期いたしましたが、今日、この会場に集まって下さった皆様のご支援、ご愛顧の賜物と心から感謝いたしております。

城北ライダースは1958年8月、浅間高原自動車テストコースで開催された日本初の本格的なモトクロス・イベント『第1回全日本クラブマンレース』に出場しました。これが城北ライダースにとって初めての公式レースとなりました。

以降、城北ライダースは国内外のさまざまなイベントに参戦し、数々の実績を残してきました。そして現在もMCFAJ(全日本モーターサイクルクラブ連盟)やMFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)のモトクロス・イベントを中心に活動を続けています。

モトクロス・チームという枠の中だけでなく、4輪を含めたレーシングチームの中で最も長い歴史と伝統を誇っているのが城北ライダースです。

このたび、チーム結成65周年を迎えることができたのは、城北ライダースの諸先輩方、ともに切磋琢磨したライバルチームの方々、サポートしていただいた企業の皆様などのご指導とお力添えのおかげと深く感謝しております。

現在の城北ライダースは、10人に満たない小さなチームですが、現在22歳の平塚豪選手が国際A級に昇格し、2023年シーズンからIAクラスに参戦しています。彼を優勝できるようにサポートしつつ、平塚選手のような若く才能のある選手をもっと育てていきたいと思っています。

また私は、祖父の久保正一や父の久保靖夫が立ち上げた「MFJ東京モトクロス部会」の部会長を、城北ライダースの村上恒誓前会長から2024年に引き継いでいます。主催者側の一員としてMFJの関東選手権でオフィシャルを務め、イベントをサポートしつつ、モトクロス競技の課題の解決にも取り組んでいます。

2018年のチーム結成60周年のパーティを開催したあと、創設メンバーの父・久保靖夫や前会長の村上恒誓氏だけでなく、城北ライダースの黎明期に所属された松内弘之氏、大月信和氏、土屋春雄氏、都平健二氏、神谷章平氏が死去されましたが、日本のモータースポーツ界の礎を築いた諸先輩方の思いをしっかりと受け継ぎ、後輩たちの育成に全力を尽くす所存です。

今後もモトクロスやモータースポーツの楽しさを少しでも多くの方に伝えるために邁進してまいります。皆様には一層のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。


久保亨(くぼ・とおる)●城北ライダースの設立メンバーである久保靖夫の二男。靖夫が立ち上げたチューニングショップの『スピードショップクボ』を経営する。城北ライダースには村上恒誓の時代に加入し、2012年にチーム代表の座を引き継ぐ。現在は自らもライダーとしてレースに出場しながら城北ライダースの会長として後進の育成にあたる。2024年からMFJモトクロス東京部会長として関東選手権などのイベント主催にも携わっている。